「72時間を過ぎたけど、まだ避妊できる方法はある?」
と不安を感じていませんか。
エラワンは、性交後120時間以内の服用でも高い避妊効果が期待できる緊急避妊薬です。本記事では、エラワンの効果や副作用、ノルレボとの違い、安全な入手方法まで詳しく解説します。
正しい知識を身につけ、緊急時にも冷静に対処できるよう備えましょう。
エラワンとは?120時間以内の服用が望ましいアフターピル

エラワンは、避妊に失敗した後に服用する緊急避妊薬(アフターピル)です。従来のアフターピルと比べて最大120時間(5日)以内の服用でも高い避妊効果が期待でき、性交後72時間を経過した場合でも対応可能です。
本セクションでは、エラワンの基本情報として、効果の仕組み、副作用、服用できない人、日本と海外での承認状況、そしてジェネリック医薬品について詳しく解説します。
- 避妊効果と作用機序
- 副作用と安全性
- 服用を避けるべき人や禁忌の薬
- 日本・海外における承認状況
- エラワンのジェネリック医薬品
エラワンは、性交後5日以内の服用で高い避妊効果を示す新しい選択肢です。従来のアフターピルが使用できない状況や、より確実な効果を求める方にとって、重要な選択肢となります。安全かつ確実に服用するためにも、正しい知識を持つことが大切です。
エラワンの避妊効果と作用機序
エラワンは、有効成分ウリプリスタル酢酸エステル(ulipristal acetate)を含む緊急避妊薬です。性交後に排卵を遅らせることで、受精や着床を防ぎ、妊娠を回避します。
従来のレボノルゲストレル製剤と比較して、より強力かつ持続的に排卵を抑制する効果があり、性交後120時間以内の服用でも高い避妊率を維持できます。海外の大規模研究では、妊娠阻止率が約98.6%とされており、従来薬の97〜98%をやや上回る結果が報告されています(参照元:Reproductive Health Access Project. 「Contraceptive Pearl: Ulipristal Acetate Myths.」)。
エラワンの副作用と安全性
エラワンの副作用としては、吐き気、頭痛、めまい、下腹部痛、倦怠感、乳房の張り、気分の変化などが報告されています。また、一時的に月経周期が早まったり遅れたりすることがありますが、重大な副作用の報告はまれです。
海外では市販薬として広く使用されていることから、安全性は高いと評価されています。ただし、妊娠していないことを確認した上での服用が前提であり、妊娠中の服用は推奨されていません。服用後に強い腹痛や出血がある場合は、すぐに医療機関を受診することが必要です。
エラワンの服用を避けるべき人や禁忌の薬
エラワンは誰でも服用できる薬ではなく、いくつかの禁忌があります。まず、すでに妊娠している場合には効果がなく、胎児への安全性も確立されていないため服用すべきではありません。
また、重度の肝機能障害がある方、ウリプリスタル酢酸エステルに対して過敏症を持つ方は使用できません。さらに、併用禁忌薬として、抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピンなど)、抗結核薬(リファンピシンなど)、HIV治療薬、セント・ジョーンズ・ワートなどがあり、これらは肝代謝酵素を誘導しエラワンの効果を著しく低下させる恐れがあります。
エラワンの日本・海外における承認状況
エラワンは2009年に欧州で初めて承認されて以来、50カ国以上で市販されている実績ある緊急避妊薬です。欧州連合(EU)では医師の処方なしでも購入可能な国もあり、その効果と安全性が広く認知されています。
一方、日本では2025年8月時点で未承認の薬剤であり、市販はされていません。ただし、厚生労働省の定める「医師の個人輸入」として、薬監証明を取得した上で医師が処方することは可能です。一部の産婦人科やオンライン診療サービスでは、医師の診察のもと処方を受けることができます。
エラワンのジェネリック医薬品

引用:パーソナルケアクリニック
エラワンの有効成分であるウリプリスタル酢酸エステルを含むジェネリック医薬品として、日本国内では「ジョセイ(JOSSEI)」という名称で処方されている製品があります。ジョセイは、同成分・同用量でありながら比較的安価に提供される場合があり、エラワンと同様の避妊効果が期待されます。
現在、パーソナルケアクリニックなど一部の医療機関で取り扱われており、薬監証明を取得した正規ルートで提供されています。なお、インターネット通販や個人輸入代行などを通じた入手は、偽造品や保存状態の不備などリスクが高く、絶対に避けるべきです。安全かつ確実に服用するには、必ず医師の診察を受けて処方を受けましょう。
エラワン(120時間アフターピル)の3つのメリット

エラワンは、従来の緊急避妊薬よりも広い服用可能時間と高い効果を備えており、特に避妊に不安を抱える女性にとって心強い選択肢です。ここでは、エラワンが持つ代表的な3つのメリットについて詳しく解説します。
- 120時間以内でも高い避妊効果が期待できる
- 妊娠阻止率が従来のアフターピルより高い
- BMIの高い人でも効果が落ちにくい
エラワンは、多くの面で従来のアフターピルを上回る性能を持ち、特に「時間が経ってしまった」「体型が気になる」といった不安を抱える方にとって安心して選べる薬です。
メリット①:120時間以内でも高い避妊効果が期待できる
エラワン最大の特徴は、性交後最大120時間(5日)以内の服用でも高い避妊効果が期待できる点です。従来のアフターピルであるノルレボは72時間以内が推奨されていますが、エラワンはその1.6倍もの時間的猶予があります。
避妊に失敗してから気付くのが遅れてしまった場合でも、一定の時間内であれば効果的に排卵を抑制し、妊娠を防ぐことが可能です。この服用可能時間の長さは、現実的な選択肢として非常に大きなメリットとなります。
メリット②:妊娠阻止率が従来のアフターピルより高い
エラワンは避妊失敗後の妊娠阻止率において、従来のアフターピル(ノルレボ)よりも優れているとされています。研究データでは、ノルレボの妊娠率が約2.6%であるのに対し、エラワンは約1.4%とされており、より確実に妊娠を防げる可能性が高いことが示唆されています。
妊娠の可能性を少しでも減らしたいと考える女性にとって、エラワンの高い妊娠阻止率は非常に大きな安心材料となるでしょう。
メリット③:BMIの高い人でも効果が落ちにくい
従来のアフターピルでは、BMI(体格指数)が高い人に対して効果が下がる傾向が指摘されていました。特にノルレボは、BMIが25を超えると妊娠率が上昇する可能性があるとされています。
一方、エラワンは高BMIの人に対しても効果が落ちにくいとされており、欧州の緊急避妊ガイドラインでもその使用が推奨されています。体型に関わらず安定した避妊効果が期待できる点は、多くの女性にとって心強いメリットと言えるでしょう。
エラワン(120時間アフターピル)の3つのデメリット

エラワンは優れた避妊効果を持つ一方で、注意すべき点もいくつか存在します。ここでは、服用を検討する際に知っておきたいエラワンの代表的な3つのデメリットを整理し、理解を深めておきましょう。
- ノルレボなどと比べて費用が高額になりやすい
- 服用後に一定時間授乳を中断する必要がある
- 日本では未承認のため入手ルートが限られる
エラワンは効果の高い緊急避妊薬ですが、日本国内では未承認であることや費用面、授乳への影響など、注意すべきポイントがあります。正しく理解したうえで、最適な選択をすることが大切です。
デメリット①:ノルレボなどと比べて費用が高額になりやすい
エラワンは、従来のアフターピルであるノルレボと比べて費用が高めに設定されていることが一般的です。ノルレボの費用相場が約7,000円〜12,000円程度であるのに対し、エラワンは医療機関によっては15,000円〜20,000円前後になることもあります。
特にジェネリックの選択肢が少ない現時点では、費用面がネックになる場合があります。経済的な負担が気になる方は、事前に医療機関に確認することが重要です。
デメリット②:服用後に一定時間授乳を中断する必要がある
エラワンを服用した場合、授乳中の方は少なくとも48時間の授乳中断が必要とされています。これは、有効成分であるウリプリスタル酢酸エステルが母乳に移行する可能性があるためであり、乳児への影響を避けるための安全措置です。
授乳中の方にとっては一時的な負担や不便となるため、事前に搾乳しておく、または医師に代替手段を相談するなどの準備が推奨されます。
デメリット③:日本では未承認のため入手ルートが限られる
2025年現在、エラワンは日本国内で未承認の医薬品であり、通常の薬局や処方箋薬としては流通していません。そのため、エラワンを入手するには、薬監証明を取得した医療機関で診察・処方を受ける必要があります。
また、取り扱いのある医療機関も限られており、即時入手が難しい場合もあります。オンライン診療を利用することで全国対応も可能ですが、未承認薬であることを理解したうえで利用することが求められます。
エラワンとノルレボはどっちがいい?違いを比較

エラワンとノルレボは、どちらも緊急避妊薬として使用されるアフターピルですが、それぞれの薬には特徴や使えるタイミング、効果の強さなどに違いがあります。ここでは、有効成分や服用可能な時間、避妊率、日本国内での取り扱いのしやすさを比較し、自分に合った選択ができるように整理します。
- 有効成分と服用可能時間
- 避妊率と避妊効果
- 日本での承認状況と入手のしやすさ
エラワンとノルレボは、それぞれ異なる特性を持っています。性交後の経過時間や、より高い避妊率を求めるかどうかなど、自身の状況に応じて適切な薬を選ぶことが重要です。
違い①:有効成分と服用可能時間
エラワンは「ウリプリスタル酢酸エステル」、ノルレボは「レボノルゲストレル」という異なる有効成分を含みます。ノルレボは性交後72時間以内の服用が推奨されており、服用が遅れると効果が低下します。
一方、エラワンは性交後120時間(5日)以内の服用が可能であり、より長い猶予があります。性交から72時間を過ぎてしまった場合でも対応可能な点が、エラワンの大きな利点です。
違い②:避妊率と避妊効果
避妊成功率においても、エラワンはノルレボよりもやや優れているとされます。海外の研究では、ノルレボの妊娠率が約2.6%に対し、エラワンは約1.4%という結果が報告されています。
また、エラワンはBMIの高い女性にも効果が落ちにくいとされており、より安定した避妊効果を期待できます。避妊の確実性を重視する方には、エラワンの方が安心できる選択肢となるでしょう。
違い③:日本での承認状況と入手のしやすさ
ノルレボは日本国内で厚生労働省により承認されており、多くの産婦人科やオンライン診療で比較的容易に処方を受けることができます。ドラッグストアでの試験的な販売も一部進められています。
一方、エラワンは日本では未承認薬のため、薬監証明を取得した医師のみが輸入・処方できます。取り扱う医療機関も限られており、入手には一定のハードルがあります。入手のしやすさではノルレボに軍配が上がりますが、効果や服用可能時間の点ではエラワンが有利です。
エラワンを安全に入手する2つの方法

エラワンは日本国内では未承認薬であり、市販されていないため、正規の医療機関を通じて安全に入手する必要があります。ここでは、信頼できる2つの入手方法について具体的にご紹介します。
- 産婦人科で処方を受ける
- 医療機関のオンライン診療で処方を受ける
エラワンは信頼できる医療機関を通じてのみ処方される薬です。特にオンライン診療は、忙しい方やすぐに受診できない方でも安全かつ迅速に入手できる手段として注目されています。確実な避妊を求める方は、早めに医療機関へ相談しましょう。
方法①:産婦人科で処方を受ける
エラワンを入手する従来の方法の一つは、薬監証明を取得している産婦人科を受診することです。医師による診察を受け、妊娠していないかや持病・禁忌薬の確認を経て、適切であれば処方されます。
ただし、診療時間や予約の制限があるほか、対応している医療機関が限られているため、緊急時にはすぐに受診できないケースもある点に注意が必要です。
方法②:医療機関のオンライン診療で処方を受ける
近年急速に普及しているのが、医療機関によるオンライン診療による処方です。エラワンやそのジェネリック(ジョセイ)を薬監証明付きで取り扱っているクリニックでは、スマートフォンやパソコンを使って自宅から診察を受けることができます。
診察後は、最短で当日発送・翌日到着というスピード対応も可能で、通院が難しい方や緊急性の高い状況において非常に頼りになります。また、24時間受付や後払いなどに対応しているケースもあり、利便性・安心感ともに高い手段として支持されています。
エラワン(120時間アフターピル)に関するよくある質問

緊急避妊薬を使用する場面では、短時間で多くの判断を迫られます。そのため、エラワンに関しては不安や疑問を抱える方も少なくありません。ここでは、よくある質問に明確にお答えし、安心して使用できるようサポートします。
- エラワンを服用しても妊娠する可能性はある?
- エラワンを服用後に吐いてしまったらどうしたらいい?
- エラワンを飲んで避妊に成功したか確認する方法は?
緊急避妊薬に関する不安をひとつずつ解消することで、冷静に対処できるようになります。わからないことがある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
エラワンを服用しても妊娠する可能性はある?
はい、エラワンは高い避妊効果を持ちますが、妊娠の可能性を完全にゼロにすることはできません。性交後120時間以内に正しく服用すれば約98.6%の避妊成功率が報告されていますが、排卵のタイミングや体質によっては妊娠することもあります。
服用後に不安な症状がある場合や生理が1週間以上遅れた場合は、市販の妊娠検査薬を使ったり医療機関で検査を受けましょう。
エラワンを服用後に吐いてしまったらどうしたらいい?
服用から2時間以内に嘔吐してしまった場合、薬の有効成分が体内に吸収されていない可能性があります。この場合は、すぐに医療機関に相談し、再度の服用が必要かどうか確認してください。
2時間以上経過していれば、ほとんどの場合は十分に吸収されていると考えられますが、体調の変化がある場合は自己判断せず医師に連絡しましょう。
エラワンを飲んで避妊に成功したか確認する方法は?
エラワンの服用後に妊娠していないかを確認するには、まず予定していた月経の有無を確認することが基本です。通常、服用後は1週間程度前後して月経が来ることが多いですが、2週間以上遅れる場合や不正出血が続く場合は、妊娠検査薬を使用して確認しましょう。
それでも不安がある場合や症状が気になる場合は、必ず医療機関で診察を受けてください。早期に対応することが重要です。
まとめ:性行為から72時間を超えたらエラワンを検討しよう

従来の緊急避妊薬は72時間以内の服用が基本とされていましたが、エラワンは120時間以内の服用でも高い避妊効果を発揮する新しい選択肢です。妊娠を確実に避けたいと考える方や、避妊の失敗に気づくのが遅れた方にとって、エラワンは非常に頼れる存在です。
正しく服用し、必要に応じて医師に相談することで、安全かつ確実な避妊が可能となります。
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