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【医師監修】ミニピルの副作用とは?発生率と対処法を徹底解説

ミニピルの副作用について知っておくべき情報を解説します

「ミニピルを飲み始めたいけど、副作用が怖い…。不正出血があると聞いたけど本当?頭痛や気分の変化も起きる?副作用はどのくらい続くの?」

ミニピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を含まず、プロゲステロン(黄体ホルモン)のみで構成された経口避妊薬です。低用量ピルと比較して血栓症などのリスクが低いことから、多くの女性に選ばれています。

しかし、副作用に対する不安や心配から、服用をためらっている方も少なくないのではないでしょうか。

  • どんな副作用が起こりやすいの?
  • 副作用はどのくらいの確率で発生するの?
  • 副作用はいつまで続くの?
  • 重大な副作用とそうでないものの見分け方は?
  • 副作用が出たらどう対処すればいい?

このような疑問にお応えするため、今回は「ミニピルの副作用」について徹底解説します。

本記事では、副作用の種類と発生率、対処法、そして服用中に注意すべき兆候などを医学的根拠に基づいて紹介します。ミニピル服用者の体験談も交えながら、あなたが安心して服用を始められる情報をお届けします。

ミニピルの基本情報と副作用の概要

まずはミニピルの基本的な特徴と、副作用が起こるメカニズムについて理解しましょう。

ミニピルとは?低用量ピルとの違い

ミニピルは、プロゲステロン(黄体ホルモン)のみを含む経口避妊薬です。一般的な低用量ピル(OC/LEP)がエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロンの2種類のホルモンを含むのに対し、ミニピルはプロゲステロンだけで構成されています。

ミニピルと低用量ピルの主な違い

比較項目 ミニピル 低用量ピル
含有ホルモン プロゲステロンのみ エストロゲン+プロゲステロン
主な作用機序 頸管粘液の粘稠化
子宮内膜の菲薄化
一部は排卵抑制
排卵抑制
頸管粘液の粘稠化
子宮内膜の変化
血栓症リスク 低い やや高い
服用方法 毎日同じ成分を連続服用 21日服用、7日休薬
(または28日連続)
服用時間 厳密に守る必要あり 12時間程度の余裕あり
不正出血 比較的多い 比較的少ない
生理痛改善 効果あり(個人差あり) 効果が高い

ミニピルの最大の特徴は、エストロゲンを含まないことによる血栓症リスクの低さです。そのため、35歳以上の喫煙者や、片頭痛のある方、授乳中の方など、従来の低用量ピルが使用しにくい方にも処方されることがあります。

しかし、ホルモンバランスへの影響によって様々な副作用が生じる可能性があります。

副作用が起こるメカニズム

ミニピルの副作用は、主にプロゲステロンが体内のホルモンバランスに影響を与えることで発生します。

ミニピルの副作用が起こる主なメカニズム

  1. ホルモンバランスの変化
    • 外部から取り入れるプロゲステロンにより、体内のホルモンバランスが変化
    • この変化が様々な身体症状を引き起こす
  2. 子宮内膜への影響
    • プロゲステロンによって子宮内膜が薄くなる(菲薄化)
    • この変化が不正出血などの原因となる
  3. 排卵への影響
    • 一部のミニピル(特にデソゲストレル系)は排卵を抑制
    • 排卵抑制によるホルモン変動が様々な症状を誘発
  4. プロゲステロンの作用
    • 男性ホルモン様作用(ニキビ、脂性肌など)
    • 代謝への影響(わずかな体重変化など)
    • 神経系への作用(気分の変化など)

ミニピルの副作用は、プロゲステロンの種類や量によって差があります。また、同じミニピルを服用しても、個人によって副作用の出方は大きく異なります。

副作用の発生率と個人差

ミニピルの副作用の発生率は、症状によって大きく異なります。また、個人の体質や生活習慣によっても違いがあります。

ミニピルの主な副作用と発生率(臨床研究データに基づく)

一般的に、以下のような方は副作用が出やすい傾向があります:

  • ホルモン感受性が高い方
  • 初めてホルモン剤を使用する方
  • ストレスが多い方
  • 睡眠や食事のリズムが不規則な方
  • 喫煙者

一方、以下のような方は比較的副作用が少ない傾向があります:

  • 以前に低用量ピルを問題なく使用していた方
  • 規則正しい生活を送っている方
  • 運動習慣がある方
  • ストレス管理ができている方

「ミニピルの副作用については個人差が大きく、全ての方に同じ症状が現れるわけではありません。事前に可能性を知っておくことで、冷静に対処できるようになります」

ミニピルの一般的な副作用

ミニピルで最も多く報告されている副作用について、詳しく見ていきましょう。

不正出血・点状出血

不正出血(点状出血を含む)は、ミニピル服用者の約40~60%が経験する最も一般的な副作用です。特に服用開始直後から数ヶ月間に多く見られます。

不正出血の特徴

  • 発生率:約40~60%
  • 発生時期:服用開始から1~3ヶ月に多い
  • 特徴
    • 量は少量~中等量(通常の生理よりは少ない量が多い)
    • 不規則に起こることが多い
    • 時間経過とともに落ち着く傾向がある
  • メカニズム
    • プロゲステロンの影響で子宮内膜が不安定になる
    • 内膜の一部が不規則に剥がれ落ちることで出血が起こる
  • 心配すべきケース
    • 大量の出血が続く
    • 6ヶ月以上改善しない
    • 突然の強い痛みを伴う

不正出血は健康上の問題を示すものではなく、多くの場合は時間の経過とともに改善します。ただし、大量の出血や長期間続く場合は医師に相談することをおすすめします。

「最初の3ヶ月間は毎日少量の出血があって心配でしたが、医師に相談したところ『体が慣れるまでの一時的な反応』と言われました。実際、4ヶ月目からはほとんど出血がなくなり、今では快適に使用しています。」(29歳、会社員)

頭痛・偏頭痛

頭痛は、ミニピル服用者の約10~20%が経験する副作用です。低用量ピルと比較すると発生頻度はやや低いとされています。

頭痛・偏頭痛の特徴

  • 発生率:約10~20%
  • 発生時期:服用開始から数日~数週間、その後改善することが多い
  • 特徴
    • 軽度~中等度の頭痛が多い
    • 片頭痛の既往がある方は注意が必要
    • 前兆のある片頭痛の方でも使用可能な場合が多い(低用量ピルは禁忌)
  • メカニズム
    • ホルモンバランスの変化による血管の拡張・収縮
    • 神経伝達物質への影響
  • 心配すべきケース
    • 突然の激しい頭痛
    • 視覚障害や吐き気を伴う重度の頭痛
    • 今までに経験したことのないタイプの頭痛

頭痛の多くは一時的なもので、体がミニピルに慣れるにつれて改善することが多いです。ただし、前兆のある片頭痛の既往がある方は、頭痛の性質に変化がないか注意深く観察することが重要です。

「ミニピルは低用量ピルと比較して血栓症のリスクが低いため、片頭痛のある方にも処方されることがありますが、頭痛の症状が悪化したり、性質が変わったりした場合は医師に相談してください」

乳房の張り・痛み

乳房の張りや痛みは、ミニピル服用者の約10~20%に見られる副作用です。

乳房の張り・痛みの特徴

  • 発生率:約10~20%
  • 発生時期:服用開始から数週間以内に現れることが多い
  • 特徴
    • 両側性のことが多い
    • 触れると痛みを感じる
    • 時間経過とともに改善することが多い
  • メカニズム
    • プロゲステロンの影響で乳腺組織が刺激される
    • 一時的な水分貯留
  • 心配すべきケース
    • 片側のみのしこりがある
    • 長期間改善しない強い痛み
    • 皮膚の変化(へこみ、赤み、ただれなど)

乳房の張りや痛みは、多くの場合2~3ヶ月程度で体がミニピルに適応するにつれて改善します。サポート力のあるブラジャーの着用や、カフェイン摂取を控えることで症状が軽減することもあります。

「服用開始から1週間ほどで乳房の張りを感じましたが、2ヶ月ほどで自然と落ち着きました。不安でしたが、医師に相談して安心して続けることができました。」(31歳、教師)

吐き気・消化器症状

吐き気などの消化器症状は、ミニピル服用者の約5~10%に見られます。低用量ピルと比較すると発生頻度は低い傾向にあります。

吐き気・消化器症状の特徴

  • 発生率:約5~10%
  • 発生時期:服用開始直後に多い
  • 特徴
    • 軽度の吐き気が多い
    • 食欲不振
    • まれに腹部膨満感や下痢
  • メカニズム
    • ホルモンによる消化管への影響
    • 胃腸の運動性の変化
  • 心配すべきケース
    • 激しい嘔吐が続く
    • 食事が全く取れない
    • 強い腹痛を伴う

吐き気などの消化器症状は、食後にミニピルを服用する、就寝前に服用するなどの工夫で軽減できることがあります。多くの場合、数週間で体が適応して症状は改善します。

「吐き気が気になる場合は、食後に服用するか、就寝前に服用するとよいでしょう。症状が続く場合は、別の種類のミニピルへの変更も選択肢の一つです」

肌トラブル(ニキビ・脂性肌)

肌トラブル(ニキビ・脂性肌)は、ミニピル服用者の約5~15%に見られる副作用です。これはプロゲステロンの種類によって大きく差があります。

肌トラブルの特徴

  • 発生率:約5~15%(プロゲステロンの種類による)
  • 発生時期:服用開始から数週間~数ヶ月
  • 特徴
    • ニキビ(特に顎や頬に多い)
    • 脂性肌
    • 肌のテクスチャの変化
  • メカニズム
    • 一部のプロゲステロンの男性ホルモン様作用
    • 皮脂分泌の増加
  • プロゲステロン種類別リスク
    • レボノルゲストレル系・ノルエチステロン系:比較的高い
    • デソゲストレル系:比較的低い

肌トラブルの出方はプロゲステロンの種類によって大きな差があります。男性ホルモン様作用が強いレボノルゲストレル系やノルエチステロン系のミニピルでは、ニキビなどが出やすい傾向があります。一方、デソゲストレル系は男性ホルモン様作用が比較的弱いため、肌トラブルのリスクは低いとされています。

「最初のミニピル(ノアルテン)でニキビが悪化したため、医師に相談してセラゼッタに変更しました。変更後は肌の状態が改善し、今では満足しています。」(26歳、会社員)

気分の変化・抑うつ

気分の変化や抑うつ感は、ミニピル服用者の約5~15%に見られる副作用です。

気分の変化・抑うつの特徴

  • 発生率:約5~15%
  • 発生時期:服用開始から数週間~数ヶ月
  • 特徴
    • 気分の落ち込み
    • イライラ感
    • 不安感の増加
    • 情緒不安定
  • メカニズム
    • ホルモンが脳内の神経伝達物質に影響
    • セロトニン・ドーパミンなどの変化
  • 個人差
    • 精神疾患の既往がある方は注意が必要
    • ストレスの多い環境では症状が現れやすい
  • 心配すべきケース
    • 自殺念慮
    • 日常生活に支障をきたすほどの抑うつ
    • 急激な気分の変動

気分の変化は、多くの場合体がミニピルに適応するにつれて改善します。しかし、症状が強い場合や長期間続く場合は、別の種類のミニピルへの変更や、他の避妊法への切り替えを検討する必要があるかもしれません。

「気分の変化が現れた場合は、十分な睡眠、規則正しい食事、適度な運動などが改善に役立つことがあります。症状が重度の場合は自己判断せず、医師に相談してください」

体重変化

体重変化は、ミニピル服用者の約2~5%に見られる副作用です。低用量ピルと比較すると、体重増加が起こる確率は低いとされています。

体重変化の特徴

  • 発生率:約2~5%
  • 発生時期:服用開始から数ヶ月
  • 特徴
    • 多くの場合、±1~2kg程度の変化
    • 急激な変化ではなく緩やかな変化
    • エストロゲンを含まないため水分貯留が少ない
  • メカニズム
    • 代謝への軽微な影響
    • 食欲の変化
    • わずかな水分貯留
  • 心配すべきケース
    • 短期間での急激な体重増加(むくみの可能性)
    • 極端な食欲不振による体重減少

ミニピルによる体重変化は、エストロゲンを含まないため低用量ピルと比較して軽微な傾向があります。多くの研究では、ミニピルが直接的に有意な体重増加を引き起こすという証拠は限られています。

研究データ:ミニピルと体重変化

2019年の研究レビューによると、ミニピル服用者の体重変化は平均で±1kg程度であり、プラセボと比較して統計学的に有意な差は見られませんでした。また、デソゲストレル系のミニピルは他の種類と比較して体重増加が少ない傾向があります。

(参考:Lopez LM, et al. Contraception. 2019)

体重変化が気になる場合は、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。また、ミニピルの種類によっても影響が異なるため、気になる場合は医師に相談することをおすすめします。

ミニピルの重大な副作用と注意すべき症状

ミニピルは一般的に安全な薬剤ですが、まれに重大な副作用が起こる可能性があります。早期発見と対応のために、注意すべき症状を知っておきましょう。

血栓症関連の症状

ミニピルは低用量ピルと比較して血栓症のリスクは低いですが、完全にゼロというわけではありません。

血栓症の警告サイン(ACHES)

  • AAbdominal pain(激しい腹痛)
  • CChest pain(胸痛、呼吸困難)
  • HHeadache(重度の頭痛、特に視覚障害を伴う場合)
  • EEye problems(視力障害、視野の一部が見えないなど)
  • SSevere leg pain(足の激しい痛みや腫れ)

これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。

血栓症のリスクは、以下の要因によってさらに高まる可能性があります:

  • 喫煙
  • 高齢(特に35歳以上)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高コレステロール
  • 肥満
  • 長時間の不動状態(長時間フライトなど)
  • 血栓症の家族歴がある

「ミニピルはエストロゲンを含まないため血栓症のリスクは低いですが、リスク因子を複数持つ方は注意が必要です。特に喫煙者は禁煙を強くお勧めします」

激しい腹痛・胸痛

激しい腹痛や胸痛が突然現れた場合は、重大な副作用の可能性があります。

注意すべき腹痛・胸痛

  • 腹痛の警告サイン
    • 突然の激しい腹痛
    • 持続する強い痛み
    • 吐き気・嘔吐を伴う
    • 右上腹部痛(肝臓領域)
  • 胸痛の警告サイン
    • 突然の胸痛
    • 息切れ、呼吸困難
    • 血痰
    • 心臓部分の圧迫感
  • 考えられる疾患
    • 肺塞栓症
    • 心筋梗塞
    • 肝機能障害
    • 消化管疾患の重篤な合併症

これらの症状が現れた場合は、緊急医療機関を受診してください。

これらの症状は非常にまれですが、早期発見と対応が重要です。ミニピルを服用中に上記のような症状が現れた場合は、服用を中止して医師に相談してください。

重度の頭痛・視覚障害

通常の頭痛とは異なる重度の頭痛や、視覚障害を伴う頭痛は、重大な副作用の兆候である可能性があります。

注意すべき頭痛・視覚障害

  • 頭痛の警告サイン
    • 突然の激しい頭痛(「人生最悪の頭痛」と感じる)
    • 通常の頭痛薬で改善しない
    • 吐き気・嘔吐を伴う
    • 意識レベルの変化
  • 視覚障害の警告サイン
    • 突然の視力低下
    • 視野の一部が見えない
    • 複視(物が二重に見える)
    • 片目の視力喪失
  • 考えられる疾患
    • 脳血栓症
    • 網膜血栓症
    • 重度の高血圧
    • その他の神経学的疾患

これらの症状が現れた場合は、緊急医療機関を受診してください。

片頭痛の既往がある方は、頭痛のパターンや強さに変化がないか特に注意する必要があります。通常とは異なる頭痛が現れた場合は、早めに医師に相談してください。

黄疸(肝機能障害)

まれに肝機能障害が現れることがあります。その代表的な症状が黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)です。

肝機能障害の警告サイン

  • 皮膚や白目の黄染(黄疸)
  • 右上腹部痛
  • 全身の倦怠感、疲労感
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 尿の色が濃くなる
  • 発熱

これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。

肝機能障害の発生率は非常に低いですが、既往歴のある方や、肝機能に影響する薬剤を併用している方は特に注意が必要です。肝機能障害が疑われる症状が現れた場合は、服用を中止して医師に相談してください。

医師に相談すべき症状の目安

以下のような症状が現れた場合は、医師に相談することをお勧めします:

医師に相談すべき症状

  • 緊急性の高い症状(すぐに受診)
    • 突然の激しい頭痛、特に視覚障害を伴う場合
    • 胸痛、息切れ
    • 足の激しい痛みや腫れ
    • 激しい腹痛
    • 黄疸(皮膚や白目の黄染)
    • 突然の視力障害
  • 早めに相談すべき症状
    • 大量の不正出血が続く
    • 長期間(3ヶ月以上)改善しない不正出血
    • 重度の気分の落ち込み
    • 通常の頭痛薬で改善しない頭痛
    • 強いニキビや肌トラブル
    • 短期間での急激な体重変化

副作用が気になる場合は、自己判断で服用を中止するのではなく、まずは医師に相談することをお勧めします。多くの副作用は時間とともに改善するか、対処法があります。

「副作用について事前に知識を持っておくことで、不安なく対処できるようになります。特に重大な副作用の兆候を知っておくことは、安全に使用するために重要です」

ミニピルの種類による副作用の違い

ミニピルは含まれるプロゲステロンの種類によって、副作用の出方に違いがあります。自分に合った種類を選ぶための情報を見ていきましょう。

デソゲストレル系(セラゼッタなど)の副作用

デソゲストレル系は比較的新しいタイプのミニピルで、第3世代プロゲスチンを含みます。代表的な製品にセラゼッタなどがあります。

デソゲストレル系の副作用プロファイル

副作用 発生頻度 特徴
不正出血 初期:50-60%
6ヶ月後:20-30%
初期は多いが徐々に減少。無月経になることも多い
頭痛 10-15% 比較的発生率が低い
乳房の張り 10-15% 初期に多く、徐々に改善
ニキビ・脂性肌 5-10% 男性ホルモン様作用が弱いため比較的少ない
気分の変化 10-15% 個人差が大きい
体重変化 2-5% 他の種類と比較して少ない傾向

デソゲストレル系の最大の特徴は高い排卵抑制効果(約97%)です。そのため、服用開始後しばらくすると不正出血が減少し、無月経になることも多いです。また、男性ホルモン様作用が弱いため、ニキビなどの肌トラブルが少ない傾向にあります。

服用時間にも12時間程度の余裕があるため、時間厳守が難しい方にも向いています。

「セラゼッタを使い始めて最初の2ヶ月は不正出血がありましたが、3ヶ月目からはほとんどなくなり、今では無月経状態です。肌の調子も良好で、頭痛などの副作用もなく満足しています。」(32歳、会社員)

レボノルゲストレル系(マイクロルットなど)の副作用

レボノルゲストレル系は第2世代プロゲスチンを含むミニピルで、代表的な製品にマイクロルットなどがあります。

レボノルゲストレル系の副作用プロファイル

副作用 発生頻度 特徴
不正出血 初期:40-50%
6ヶ月後:20-30%
不規則な出血パターンが続くことが多い
頭痛 10-20% 中程度の発生率
乳房の張り 10-15% 中程度の発生率
ニキビ・脂性肌 10-15% 男性ホルモン様作用が中程度
気分の変化 10-15% 個人差が大きい
体重変化 3-7% 軽度の体重増加の報告あり

レボノルゲストレル系の排卵抑制効果は中程度(約50%)であり、子宮頸管粘液の粘稠化と子宮内膜の変化による避妊効果が主体です。服用時間は±3時間以内の厳守が必要であり、時間のずれで効果が低下する可能性があります。

男性ホルモン様作用は中程度であるため、ニキビなどの肌トラブルがやや起こりやすい傾向があります。

「マイクロルットを使い始めて半年になります。不正出血は最初の3ヶ月ほどで落ち着きましたが、完全になくなることはなく、軽いニキビも時々できます。服用時間を守るのが少し大変ですが、それ以外は特に問題なく使えています。」(27歳、看護師)

ノルエチステロン系(ノアルテンなど)の副作用

ノルエチステロン系は第1世代プロゲスチンを含む最も古いタイプのミニピルで、代表的な製品にノアルテンなどがあります。

ノルエチステロン系の副作用プロファイル

副作用 発生頻度 特徴
不正出血 初期:40-50%
6ヶ月後:30-40%
不規則な出血パターンが長く続くことがある
頭痛 15-20% 比較的発生率が高い
乳房の張り 10-15% 中程度の発生率
ニキビ・脂性肌 15-20% 男性ホルモン様作用が強いため発生率が高い
気分の変化 10-15% 個人差が大きい
体重変化 5-10% 他の種類と比較してやや高い

ノルエチステロン系の排卵抑制効果は低く(40%以下)、主に子宮頸管粘液の粘稠化による避妊効果が主体です。服用時間は±3時間以内の厳守が特に重要で、時間を守れないと避妊効果が大きく低下する可能性があります。

男性ホルモン様作用が比較的強いため、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすい傾向があります。一方で、長年使用されてきた実績があり、安全性データが豊富なのが特徴です。

「ノアルテンを使い始めてからニキビが増えて悩みましたが、皮膚科の治療と併用することで対処しています。服用時間は必ずアラームをセットして忘れないようにしています。不正出血は軽いですが、定期的にあります。」(25歳、販売員)

自分に合った種類の選び方

自分に合ったミニピルの種類を選ぶためには、ライフスタイルや体質、どの副作用を避けたいかを考慮することが重要です。

ミニピル選びのポイント

こんな方には おすすめの種類 理由
忙しくて服用時間を厳密に守れない方 デソゲストレル系
(セラゼッタなど)
服用時間に12時間の余裕があるため
ニキビなど肌トラブルが気になる方 デソゲストレル系
(セラゼッタなど)
男性ホルモン様作用が弱いため
不正出血をなるべく避けたい方 デソゲストレル系
(長期的には無月経になりやすい)
排卵抑制効果が高いため、長期的には出血が減少
長年の使用実績を重視する方 ノルエチステロン系
(ノアルテンなど)
最も長い使用実績と豊富な安全性データ
コスト面を考慮したい方 ノルエチステロン系・レボノルゲストレル系 比較的価格が安い傾向
頭痛持ちの方 デソゲストレル系
(セラゼッタなど)
頭痛の発生率が比較的低い

最終的には個人の体質との相性が大きく影響するため、医師と相談しながら選ぶことが大切です。また、一つの種類で副作用が強く出た場合でも、別の種類に変更することで改善することも多いです。

「ミニピルの種類は体質との相性が大きく、一概に『これが最適』とは言えません。まずは医師と相談して開始し、副作用の出方を見ながら、必要に応じて種類の変更を検討するとよいでしょう」

副作用の時期と持続期間

ミニピルの副作用は服用開始からの時期によって変化します。ここでは、時期別の副作用の特徴と持続期間について解説します。

開始直後の副作用

服用開始直後(1日目~数週間)に現れやすい副作用は以下の通りです:

開始直後(1日目~数週間)の主な副作用

  • 吐き気・消化器症状
    • 発生率:5~10%
    • 特徴:軽度の吐き気、食欲不振など
    • 対処法:食後または就寝前に服用する
  • 頭痛
    • 発生率:10~20%
    • 特徴:軽度~中等度の頭痛
    • 対処法:十分な水分摂取、必要に応じて鎮痛剤
  • 乳房の張り・痛み
    • 発生率:10~15%
    • 特徴:両側の乳房のムズムズ感や痛み
    • 対処法:サポート力のあるブラジャー、カフェイン摂取を控える
  • 軽度の不正出血
    • 発生率:30~40%
    • 特徴:少量の出血やスポッティング
    • 対処法:経過観察(多くは時間とともに改善)

多くの場合、これらの初期症状は体がミニピルに適応するにつれて2~4週間程度で軽減します。

服用開始直後は体がホルモンの変化に適応する時期であり、様々な症状が現れやすいですが、多くは一時的なものです。この時期を乗り越えることで、副作用が軽減することが多いです。

「最初の1週間は軽い吐き気と頭痛があり不安でしたが、服用時間を就寝前に変更したところ吐き気はなくなり、頭痛も2週間ほどで自然に改善しました。」(33歳、会社員)

1〜3ヶ月目の副作用

服用開始から1~3ヶ月目に現れやすい副作用は以下の通りです:

1~3ヶ月目の主な副作用

  • 不正出血
    • 発生率:40~60%
    • 特徴:不規則な出血パターン、量は個人差が大きい
    • 対処法:鉄分補給、時間経過を待つ
  • 肌トラブル(ニキビ・脂性肌)
    • 発生率:5~15%(種類による)
    • 特徴:特に顎や頬にできやすい
    • 対処法:スキンケアの見直し、必要に応じて皮膚科受診
  • 気分の変化
    • 発生率:5~15%
    • 特徴:イライラ、気分の落ち込みなど
    • 対処法:規則正しい生活、適度な運動、必要に応じて医師に相談
  • 体重変化
    • 発生率:2~5%
    • 特徴:±1~2kg程度の変化が多い
    • 対処法:バランスの良い食事、適度な運動

この時期は不正出血が最も多く見られますが、多くの場合3ヶ月目頃から徐々に減少・安定する傾向があります。

1~3ヶ月目は体がミニピルに順応している時期であり、特に不正出血など月経関連の副作用が目立ちます。3ヶ月を目安に様子を見ることが多く、この時期を過ぎても症状が改善しない場合は、医師に相談することをお勧めします。

「最初の2ヶ月間は不正出血が多くて不安でしたが、3ヶ月目から徐々に減り始め、4ヶ月目にはほとんどなくなりました。医師から『3ヶ月は様子を見ましょう』と言われていたので、続けて良かったです。」(28歳、デザイナー)

長期服用時の副作用

服用開始から3ヶ月以上経過後の長期服用時に見られる副作用の特徴は以下の通りです:

長期服用時(3ヶ月以上)の主な副作用

  • 不正出血
    • 発生率:20~30%(種類による)
    • 特徴:多くは減少・安定するが、一部は継続
    • 対処法:継続して気になる場合は種類の変更を検討
  • 無月経
    • 発生率:10~30%(特にデソゲストレル系で多い)
    • 特徴:健康上の問題ではなく、むしろ子宮内膜が十分に薄いことを示す
    • 対処法:特別な対処は不要(心配な場合は医師に相談)
  • 持続する肌トラブル
    • 発生率:5~10%
    • 特徴:男性ホルモン様作用の強い種類で継続しやすい
    • 対処法:別の種類への変更、皮膚科との併診
  • 持続する気分の変化
    • 発生率:3~5%
    • 特徴:多くは改善するが、一部は継続
    • 対処法:別の種類への変更、必要に応じて心療内科との併診

長期服用時には多くの初期副作用は改善しますが、一部の副作用は持続する場合があります。

長期服用では、多くの初期副作用は改善する傾向にありますが、一部の方では不正出血や肌トラブルなどが持続することがあります。これらの症状が生活に支障をきたす場合は、別の種類のミニピルへの変更や、他の避妊法への切り替えを検討することも選択肢の一つです。

「3~6ヶ月経過しても副作用が気になる場合は、自分に合っていない可能性があります。諦めずに医師に相談し、別の種類への変更を検討するとよいでしょう」

服用中止後の体の変化

ミニピルの服用を中止した後の体の変化について理解しておくことも重要です:

服用中止後の体の変化

  • 月経再開
    • タイミング:多くの場合1~3ヶ月以内(個人差あり)
    • 特徴:最初の月経は量や期間が不規則なことが多い
  • 副作用の消失
    • タイミング:大半は数週間以内に改善
    • 特徴:頭痛、乳房の張り、気分の変化などは比較的早く改善
  • 肌の変化
    • タイミング:1~3ヶ月かけて徐々に変化
    • 特徴:ミニピルで改善していた方は悪化する可能性あり、逆にニキビが出ていた方は改善する可能性あり
  • 排卵再開
    • タイミング:1~3ヶ月以内に再開することが多い
    • 特徴:即時妊娠を望まない場合は別の避妊法を準備する必要あり

ミニピルの影響はほとんどの場合可逆的で、時間の経過とともに服用前の状態に戻ります。

ミニピルの影響は一時的なものであり、服用中止後は徐々に服用前の状態に戻ります。排卵は比較的早く再開するため、妊娠を望まない場合は中止直後から別の避妊法を使用することが重要です。

「ミニピルを1年使用した後に中止しましたが、2ヶ月後には月経が再開しました。最初の生理は少し多めでしたが、その後は服用前とほぼ同じ周期に戻りました。副作用も特に残りませんでした。」(31歳、教師)

副作用への対処法と軽減策

ミニピルの副作用が現れた場合の対処法と、あらかじめ副作用を軽減するための方法について解説します。

不正出血への対処法

不正出血はミニピルの最も一般的な副作用ですが、以下の方法で対処することができます:

不正出血への対処法

  1. 時間経過を待つ
    • 多くの場合、3~6ヶ月で徐々に改善
    • 特にデソゲストレル系は長期的には無月経になることも多い
  2. 服用時間を厳守する
    • 時間のずれが不正出血の原因になることも
    • アラームをセットするなど工夫する
  3. 鉄分を補給する
    • 長期間の不正出血で貧血になるリスクを予防
    • 鉄分を多く含む食品(レバー、赤身肉、ほうれん草など)や、必要に応じてサプリメント
  4. ストレスを軽減する
    • ストレスが不正出血を悪化させることも
    • 適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーション法の実践
  5. 種類を変更する
    • 3~6ヶ月以上続く場合は、医師と相談して別の種類に変更することも検討
    • 例:ノルエチステロン系→デソゲストレル系に変更など

大量の出血や、6ヶ月以上改善しない不正出血は医師に相談しましょう。

不正出血は多くの場合、時間経過とともに改善しますが、対処法を知っておくことで不安を軽減できます。特に服用時間の厳守は重要なポイントです。

「不正出血が続いて不安でしたが、医師からアドバイスを受けて鉄分サプリメントを飲み、服用時間も厳密に守るようにしました。4ヶ月目から徐々に出血が減り、今ではほとんどありません。」(27歳、会社員)

頭痛・乳房痛の軽減方法

頭痛や乳房痛などの身体症状への対処法は以下の通りです:

頭痛への対処法

  • 十分な水分摂取:脱水は頭痛を悪化させる要因
  • 適度な休息:必要に応じて暗く静かな環境で休む
  • 鎮痛剤の使用:医師と相談の上、必要に応じて使用
  • カフェイン摂取を控える:一部の方では改善効果がある
  • ストレス管理:ストレスは頭痛の誘因になることも
  • 服用時間の変更:就寝前に服用することで症状を感じにくくなることも
  • 種類の変更:頭痛が続く場合は別の種類への変更を検討

乳房痛への対処法

  • サポート力のあるブラジャーの着用:適切なサイズのものを選ぶ
  • カフェイン摂取を減らす:コーヒー、紅茶、チョコレートなど
  • 冷湿布の使用:痛みが強い場合
  • 鎮痛剤の使用:医師と相談の上、必要に応じて使用
  • 塩分摂取を控える:水分貯留を減らす効果が期待できる
  • ビタミンE、ビタミンB6の摂取:一部の研究で効果の報告あり
  • 種類の変更:症状が強く続く場合は別の種類への変更を検討

これらの症状の多くは時間の経過とともに改善しますが、生活習慣の見直しやセルフケアによって症状を軽減できることもあります。症状が強い場合や長期間続く場合は、医師に相談しましょう。

「頭痛や乳房痛などの身体症状は、多くの場合2~3ヶ月程度で改善します。それまでの間はセルフケアで対処し、改善しない場合は医師に相談するとよいでしょう」

気分の変化への対応

気分の変化やイライラ感などの精神的な症状への対処法は以下の通りです:

気分の変化への対処法

  • 規則正しい生活
    • 十分な睡眠を取る
    • 規則正しい食事をする
    • 生活リズムを整える
  • 適度な運動
    • 週3回、30分程度の有酸素運動がおすすめ
    • ウォーキング、水泳、ヨガなど
  • リラクゼーション法
    • 深呼吸、瞑想、ヨガ
    • 入浴、アロマテラピー
  • バランスの良い食事
    • ビタミンB群、マグネシウムを含む食品
    • オメガ3脂肪酸(青魚など)
    • 糖質の過剰摂取を避ける
  • サポートを求める
    • 家族や友人に話を聞いてもらう
    • 同じ経験をしている人と情報交換する
  • 医師に相談する
    • 症状が重度の場合
    • 日常生活に支障をきたす場合
    • 別の種類への変更を検討

気分の変化は、体がミニピルに適応するにつれて改善することが多いですが、生活習慣の改善やストレス管理によって症状を軽減できる場合もあります。症状が重度の場合は、自己判断で服用を中止せず、医師に相談してください。

「最初の2ヶ月はイライラすることが増えましたが、毎日ヨガをすることで気持ちが落ち着きました。今では副作用をほとんど感じず、快適に使用しています。」(28歳、フリーランス)

副作用を軽減する生活習慣

ミニピルの副作用を予防・軽減するための生活習慣のポイントは以下の通りです:

副作用を軽減する生活習慣

  1. 規則正しい服用
    • 毎日同じ時間に服用する
    • アラームや服薬管理アプリを活用する
    • 忙しい時のための予備のピルを持ち歩く
  2. バランスの良い食事
    • 鉄分を多く含む食品(不正出血対策)
    • ビタミンB群、ビタミンE、マグネシウムが豊富な食品
    • 良質なタンパク質と健康的な脂質
    • 過剰な糖質、加工食品、カフェインを控える
  3. 適度な運動
    • 週3〜5回、30分程度の有酸素運動
    • ウォーキング、水泳、ヨガなど
    • 激しすぎる運動は避ける
  4. 十分な水分摂取
    • 1日2リットル程度の水分を摂る
    • 頭痛予防、むくみ軽減に効果的
  5. ストレス管理
    • 十分な休息と睡眠
    • リラクゼーション法(瞑想、深呼吸など)
    • 趣味や楽しみの時間を確保する
  6. 禁煙
    • 喫煙は副作用リスクを高める
    • 血栓症のリスクが増加
  7. アルコール摂取を控える
    • 過剰なアルコールは肝機能に負担
    • ホルモンの代謝に影響する可能性

健康的な生活習慣を心がけることで、副作用のリスクを軽減し、体がミニピルに適応するのをサポートすることができます。特に規則正しい生活リズムと栄養バランスのとれた食事は重要です。

「ミニピルの副作用を最小限に抑えるためには、健康的な生活習慣が重要です。特に十分な水分摂取と鉄分の補給は、不正出血による体への負担を軽減するのに役立ちます」

医師に相談するタイミングと方法

副作用が気になる場合の医師への相談タイミングと、効果的な相談方法について解説します:

医師に相談するタイミング

  • 緊急性の高い症状(すぐに相談)
    • 激しい胸痛、呼吸困難
    • 突然の激しい頭痛、特に視覚障害を伴う場合
    • 足の激しい痛みや腫れ
    • 激しい腹痛
    • 皮膚や白目の黄染(黄疸)
  • 早めに相談すべき症状(数日以内)
    • 大量の不正出血が続く
    • 強い吐き気で食事ができない
    • 急激な気分の変化、重度の抑うつ
    • 高熱
  • 定期的な診察時に相談すべき症状
    • 3ヶ月以上続く不正出血
    • 徐々に悪化するニキビなどの肌トラブル
    • 持続する軽度の頭痛
    • 気になる体重変化

効果的な相談方法

  1. 症状の記録をつける
    • 症状の種類、発生時期、持続時間
    • 不正出血の場合は頻度や量
    • 服用時間の記録
    • 症状と生活習慣の関連性
  2. 質問事項をまとめておく
    • 気になる症状について
    • 対処法について
    • 種類変更の可能性について
  3. 正確に情報を伝える
    • 服用状況(忘れの有無など)
    • 他の薬剤の使用状況
    • 生活習慣の変化
  4. オンライン診療の活用
    • 緊急でない相談の場合
    • 通院が難しい場合

医師への相談は自己判断で悩まないための重要なステップです。特に副作用が長期間続く場合や、生活に支障をきたす場合は、早めに相談することをお勧めします。

「多くの副作用は時間とともに改善しますが、3ヶ月経っても改善しない場合や、症状が強い場合は遠慮なく相談してください。ミニピルの種類変更や、別の避妊法への切り替えなど、様々な選択肢があります」

ミニピル服用者の副作用体験談

実際にミニピルを服用している方々の体験談から、副作用への対応や乗り越え方のヒントを探ります。

副作用に悩んだ経験と乗り越え方

「セラゼッタを使い始めて最初の2ヶ月間は不正出血が毎日続き、本当に心配でした。婦人科医に相談したところ『多くの場合3~6ヶ月で落ち着くから様子を見よう』と言われました。鉄分サプリメントを飲み始め、食事も意識して鉄分摂取を増やしました。実際、4ヶ月目から徐々に出血が減り、半年後にはほぼ無月経状態になりました。今では生理の不便さから解放されてとても快適です。不正出血の時期は辛かったですが、諦めずに続けて良かったです。」

— 30歳、会社員

「ノアルテンを飲み始めたら、ひどいニキビに悩まされるようになりました。特に顎と頬にできて、仕事上も人前に出るのが辛い時期がありました。3ヶ月様子を見ましたが改善せず、医師に相談して皮膚科も受診しました。皮膚科での治療と並行して、ミニピルもデソゲストレル系のセラゼッタに変更してもらいました。変更から1ヶ月ほどで肌の状態が改善し始め、今では以前よりも肌がきれいになりました。自分に合った種類を見つけることが本当に大切だと実感しています。」

— 26歳、アパレル店員

「マイクロルットを服用開始して最初の数週間は、軽い吐き気と頭痛がありました。特に朝に服用していたのですが、朝食後に気分が悪くなることが多かったです。医師に相談したところ、服用時間を夜に変更するようアドバイスを受けました。就寝前に服用するようにしたところ、ほとんど副作用を感じなくなりました。単純な対策でしたが、とても効果的でした。自分に合った服用タイミングを見つけることも大切だと思います。」

— 32歳、教師

これらの体験談からわかるように、副作用への対処には「時間をかけて様子を見る」「医師に相談する」「生活習慣を調整する」といったアプローチが有効です。また、自分に合ったミニピルの種類や服用タイミングを見つけることも重要なポイントと言えるでしょう。

副作用が少なかった人の特徴

副作用が比較的少なかった方々には、いくつかの共通点が見られます:

副作用が少なかった人の特徴

  1. 以前にホルモン剤を使用した経験がある
    • 低用量ピルの使用歴がある方は、体がホルモンの変化に適応しやすい傾向
  2. 規則正しい生活習慣
    • 十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を習慣化
    • ストレス管理が上手
  3. 服用時間を厳守している
    • アプリやアラームを活用
    • 日常のルーティンに組み込む(例:歯磨き後など)
  4. 自分に合った種類を選んでいる
    • 肌トラブルがある方はデソゲストレル系を選択
    • 服用時間が不規則になりがちな方はデソゲストレル系を選択
  5. 十分な水分摂取
    • デトックス効果で代謝を促進
    • 頭痛予防にも効果的
  6. ポジティブな心構え
    • 副作用は一時的なものと理解している
    • 長期的なメリットに焦点を当てている

「私はセラゼッタを2年間使用していますが、ほとんど副作用を感じたことがありません。以前低用量ピルを使用していたこともあり、体がホルモン剤に慣れていたのかもしれません。また、毎日同じ時間に服用することと、水分をたっぷり取ることを心がけています。最初から無月経に近い状態で、生理痛から解放されて快適に過ごせています。」

— 34歳、フリーランス

副作用で服用を中止した事例と学び

一方で、副作用が原因で服用を中止した方の体験からも学ぶことがあります:

「ノアルテンを6ヶ月使用しましたが、不正出血が一向に改善せず、常に出血がある状態が続いたため中止しました。医師に相談した際、別の種類に変更することも提案されましたが、その時点で別の避妊法を試してみたいと思いました。今はIUDを使用していて満足しています。ミニピルが合わなくても、他の選択肢があることを知っておくことは大切だと思います。」

— 29歳、看護師

「マイクロルットを使い始めてから気分の落ち込みが激しくなり、日常生活に支障をきたすようになりました。3ヶ月様子を見ましたが改善せず、医師と相談して中止しました。中止後は2週間ほどで気分が改善し、元の自分を取り戻せました。その後、デソゲストレル系に変更してみましたが、同じ症状が出たため、最終的にはホルモン剤に頼らない避妊法を選びました。自分の精神状態を最優先することの大切さを学びました。」

— 27歳、グラフィックデザイナー

これらの体験から、以下のような学びが得られます:

  • 一つの種類が合わなくても、別の種類が合う可能性がある
  • それでも合わない場合は、他の避妊法という選択肢もある
  • 自分の体や心の声に耳を傾けることが大切
  • 副作用が生活に大きな支障をきたす場合は、無理に継続しない
  • 医師と相談しながら自分に合った選択をすることが重要

「ミニピルが合わないと感じたら、別の種類に変更してみるか、他の避妊法を検討するという選択肢もあります。自分の体調や生活の質を優先して選択することが大切です」(婦人科医・田中先生)

よくある質問と回答

Q1: ミニピルは低用量ピルより副作用が少ないですか?

A: 一部の副作用については少ない傾向がありますが、全ての副作用が少ないわけではありません。ミニピルはエストロゲンを含まないため、血栓症のリスクやむくみなどエストロゲン関連の副作用は少ない傾向があります。一方で、不正出血などの副作用は低用量ピルよりも多く見られます。また、ミニピルは服用時間を厳密に守る必要があるものが多く、使用上の注意点も異なります。どちらが適しているかは個人の体質や既往歴、生活スタイルによって異なりますので、医師と相談して決めるのがベストです。

Q2: 副作用が強い場合、いつまで様子を見るべきですか?

A: 一般的には3~6ヶ月程度を目安に様子を見ることが多いです。特に不正出血などは、体がミニピルに適応するにつれて徐々に改善することが多いです。ただし、以下のような場合は早めに医師に相談することをお勧めします:

  • 日常生活に支障をきたすほどの強い副作用がある
  • 大量の出血が続く
  • 重度の気分の落ち込みやイライラがある
  • 激しい頭痛や腹痛がある

副作用の種類や程度によって適切な対応期間は異なりますので、不安な場合は医師に相談してください。

Q3: ミニピルの副作用で太りますか?

A: ミニピルによる体重増加の報告は比較的少なく、エストロゲンを含まないため水分貯留による体重増加は低用量ピルより少ない傾向があります。研究によれば、ミニピル服用者の体重変化は平均で±1kg程度とされており、統計学的に有意な体重増加は認められていません。ただし、個人差があり、一部の方では体重変化を経験することもあります。気になる場合は、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、急激な体重変化があれば医師に相談しましょう。

Q4: ミニピルと他の薬の併用で副作用は強くなりますか?

A: 一部の薬剤はミニピルの効果を弱めたり、副作用を強めたりする可能性があります。特に注意が必要な薬剤には以下のようなものがあります:

  • 一部の抗生物質(リファンピシンなど)
  • 抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトインなど)
  • 抗HIV薬
  • セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort)を含むサプリメント

これらの薬剤を使用する際は医師や薬剤師に必ずミニピルを服用していることを伝え、相互作用について確認してください。また、新たに薬を処方してもらう際も、ミニピルを服用していることを伝えるようにしましょう。

Q5: ミニピルで月経がなくなっても問題ないですか?

A: ミニピルの服用中に月経がなくなる(無月経になる)ことは珍しくなく、特にデソゲストレル系のミニピル(セラゼッタなど)では約20~30%の方が経験します。これは健康上の問題ではなく、むしろミニピルによって子宮内膜が十分に薄くなっていることを示すサインです。体内に経血が溜まっているわけではないので、心配する必要はありません。また、将来の妊孕性(妊娠能力)にも影響しないことが研究で示されています。ただし、それまで普通に月経があった方が突然無月経になった場合や、妊娠の可能性がある場合は念のため医師に相談してください。

Q6: 不正出血はどのくらい続くものですか?

A: 不正出血の持続期間には個人差がありますが、多くの場合3~6ヶ月程度で徐々に落ち着く傾向があります。ミニピルの種類によっても異なり、デソゲストレル系(セラゼッタなど)は初期に不正出血が多いものの、長期的には無月経になることが多いです。レボノルゲストレル系やノルエチステロン系は、長期間不規則な出血パターンが続くこともあります。不正出血が6ヶ月以上続く場合や、大量の出血がある場合は医師に相談することをお勧めします。また、服用時間を厳守することで不正出血が改善することもあります。

Q7: ミニピルの副作用はどのくらいで出始めますか?

A: 副作用の出現時期は症状によって異なります。吐き気や頭痛などの身体症状は服用開始直後(数日~1週間)から現れることが多く、不正出血は服用開始から数日~数週間で始まることが多いです。肌トラブルや気分の変化などは数週間~数ヶ月かけて徐々に現れることもあります。ただし、副作用の出方には個人差が大きく、まったく副作用を感じない方もいれば、複数の副作用を経験する方もいます。服用開始後は体調の変化に注意し、気になる症状があれば記録しておくとよいでしょう。

Q8: 副作用が出た場合、別の種類のミニピルに変更できますか?

A: はい、副作用が強く出た場合は医師と相談の上、別の種類のミニピルに変更することができます。例えば、ノルエチステロン系でニキビが悪化した場合、男性ホルモン様作用が弱いデソゲストレル系に変更することで改善することがあります。また、不正出血が長期間続く場合も、種類の変更で改善することがあります。種類変更の際は、通常古いタイプの最終錠を服用した翌日から新しいタイプを開始します。ただし、別の種類に変更しても副作用が続く場合は、ミニピル以外の避妊法への切り替えも検討することになるでしょう。

まとめ:ミニピルの副作用と上手に付き合うための心構え

ミニピルの副作用について、主要なポイントをまとめました:

  1. 副作用の個人差が大きい:同じミニピルでも、人によって副作用の現れ方は大きく異なります。全く副作用を感じない方もいれば、複数の副作用を経験する方もいます。
  2. 時間経過で改善することが多い:多くの副作用は体がミニピルに適応するにつれて、3~6ヶ月程度で改善する傾向があります。特に不正出血などは時間とともに落ち着くことが多いです。
  3. 種類による違いを理解する:ミニピルは含まれるプロゲステロンの種類によって副作用の出方が異なります。デソゲストレル系は肌トラブルが少なく服用時間に余裕がある一方、ノルエチステロン系やレボノルゲストレル系は男性ホルモン様作用がやや強く服用時間の厳守が必要です。
  4. 生活習慣で軽減できることも:規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、十分な水分摂取などの健康的な生活習慣によって、副作用を軽減できることがあります。
  5. 重大な副作用のサインを知る:まれに起こる重大な副作用のサイン(激しい頭痛、胸痛、足の腫れなど)を知っておくことで、早期発見・対応が可能になります。
  6. 医師との相談が重要:副作用が気になる場合は自己判断で中止せず、医師に相談することが大切です。種類の変更や対処法のアドバイスをもらえます。
  7. 合わない場合は無理しない:どうしてもミニピルが合わない場合は、他の避妊法を検討するという選択肢もあります。自分の体調や生活の質を優先することが大切です。

ミニピルは多くの方にとって効果的で便利な避妊法ですが、副作用を含めたメリット・デメリットを理解した上で選択することが大切です。自分の体質や生活スタイルに合ったミニピルを選び、適切に対処することで、より快適に使用することができるでしょう。

ミニピルの副作用は決して恐れるものではなく、正しい知識と対処法を持つことで上手に付き合っていくことができます。この記事が、ミニピルを検討している方や現在使用中の方の不安を少しでも軽減し、より良い選択の手助けになれば幸いです。

症状や体調に不安がある場合は、必ず医師に相談してください。一人ひとりに合った最適な選択は、専門家と相談しながら見つけていくことが大切です。

※この記事は医学的情報の提供を目的としていますが、個人の診断・治療に代わるものではありません。ミニピルの服用については、必ず医師にご相談ください。

参考文献

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