ダイエット外来で使用するお薬は、主にGLP-1受容体作動薬という、体内で分泌されるホルモンに類似した薬です。この薬は、食欲を抑えるだけでなく、インスリンの分泌を促進し、血糖値をコントロールする効果があります。
元々は糖尿病治療のために開発されましたが、最近では体重管理にも効果があることが注目されています。
ダイエットに関する悩みは人それぞれですが、忙しい生活の中で、食事制限や運動を頻繁に取ることは簡単なことではありません。結果、ストレスを抱えたり、挫折してしまったりと、かえって失敗に終わってしまう例もあります。
そこで、医療の力を借りることで、運動が難しい方や、食事の楽しみを諦めたくない方にとっても、安全かつ効果的にダイエットを進める方法が提供されています。
GLP-1は、体内で自然に分泌されるホルモンで、食事をした際に小腸から分泌され、脳に「満腹」であることを伝える役割を果たします。GLP-1受容体作動薬は、このホルモンを人工的に増加させ、食欲を抑制し、血糖値をコントロールする効果を持つ薬です。これにより、無理なく食事量を減らし、体重を減少させることが可能です。
1. 脳の満腹中枢に作用して食欲を抑える
2. インスリンの分泌を促進し、食後の血糖値上昇を抑える
3. 胃腸の動きを緩やかにすることで、満腹感を持続させる
GLP-1は、食事をした際に小腸から分泌されるホルモンです。
食べ物が胃を通過し、小腸に流れ込んだ際に、「もう食べる必要はない」「しっかり消化する準備を」というようなメッセージを脳や、消化管の臓器に伝達する役割があります。
それにより、脳では、満腹状態であると認識し、膵臓からは、血中からグルコース(糖分)を細胞内に取り込ませる役割のあるインスリンの分泌を促進し、血糖値を減少させます。
インスリンを直接打ち込むのではなく、自然由来のインスリン分泌を促すため、過度に低血糖になる心配も少ないとされています。
GLP-1受容体作動薬は、元々糖尿病治療薬として使用され、多くの臨床試験で安全性が確認されています。特に体重減少効果が認められており、肥満やメタボリックシンドロームの治療にも応用されています。
ただし、副作用がまれに見られるため、医師の指導の下で使用することが推奨されます。
低血糖のリスク
リベルサスなどのGLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促進するため、低血糖のリスクがあります。
ただし、血糖値が高い時にインスリンを分泌させるため、基本的には通常の食事では低血糖の心配はほとんどありません。
しかし、食事の量が極端に少ない場合や、他の血糖降下薬を併用している場合には、注意が必要です。脱力感や倦怠感を感じた場合は、医師に相談してください。
急性膵炎のリスク
GLP-1受容体作動薬は膵臓に作用するため、まれに膵炎が発生することがあります。持続的な激しい腹痛や吐き気、背中への痛みが現れた場合は、直ちに医師に連絡してください。
リベルサスは、元々注射薬しかなかったGLP-1受容体作動薬を内服で服用できるようにしたものです。これを実現するために吸収を促進するSNACという薬剤を含有しているので、その性質上、上記のような決められた飲み方となっています。ですので、この飲み方を守るようにしてください。
ダイエット外来で取り扱っているお薬の基本的な作用は、「血糖値を下げる」ことです。血糖値をさげ、糖分をエネルギーの中心とするのではなく、脂肪を燃焼しエネルギーを産生することで、ダイエットを実現します。
糖尿病の治療薬として、国内でも認可が下りているお薬です。通常、腎臓は尿を作る際に、糖分を捨てずに再吸収し体に残す働きがあります。この糖分の再吸収し、血糖値を下げるのがSGLT1阻害薬の機能です。
血糖値は、肝臓によってもコントロールされており、肝臓には内部に溜めているエネルギー源を糖分解体し、血糖値を上げる役割があります。メトホルミンはこの役割を抑制することで、血糖値の上昇を防ぎます。
GLP-1作動薬は、もともと注射薬として使用されていました。それを経口摂取できるようにしたのがリベルサスですが、当院では従来の注射タイプのものについても扱っております。
注射タイプは、経口タイプに比べては、簡便性に劣りますが、消化による影響を受けないため、その分効果がより高いことが知られています。より確実にダイエットをしたい方におすすめです。